今ルームシェアをしたり、いきつけのカフェの人たちと交流する中で思うのは、逃げられない人間関係の中でどのように近い人達と距離を保つかということだ。インターネットが普及してしばらくたった現在、人と人との距離は驚くほど小さい。近づくのは一昔前の通信機器の時代からすると遥かに簡単だ。特に忍耐はいらない。気に入らなければ、スイッチを切りさえすればいいのだ。なんとお手軽な関係だろうか。しかも、日常生活の中ではインターネットと違ってそういう距離感が必要なことについては普通誰も注意してくれはしない。しかし、こういうふうに近すぎるインターネット世代にこそ、互いの距離感というのは求められているように思われる。というのは通信機器の進歩というのは、物理的な距離をそのままに精神的な距離を縮めるという感覚の「誤差」が必然的に生まれることになるからだ。日常の人間関係において、互いに距離をおくということに何の注意も払わないのはかなり危険なことだ。ルームシェアをしていると、そのメンバーとは共有する時間も多いが、不満が募ると、その不安をぶつけ合う危険性もまた増すことに気がつく。距離が近いということはそれだけミスを犯す可能性も高くなり、ストレスが俄然生じやすい。ミスをすぐ許しあえれば問題ないかもしれないが、それを言いたい放題言うとただただカオスになるだけだ。これは何もルームシェアだけではなくて、研究室で生活する際の人間関係や、職場での人間関係、将来結婚をしたとして、子どもが生まれたときまでには絶対に備えておかねばならないスキルだ。子供に言いたい放題言ったとしてもそれは解決には絶対に結びつかないからだ。あえて距離を保つという選択肢も必要ということになる。言いたいことを言いたい放題いうのはやめて、互いに本当に伝えたい事を忍耐を持って選ぶ、そして、相手にわかるように正しく伝えるという当たり前のことが見直される。
親しき仲にも礼儀ありということですね。
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