¥documentclass{jsarticle}
¥usepackage[dvips]{graphicx,color}
¥begin{document}
¥title{Mechanics Of ¥textcolor{magenta}{L}andau}
¥author{高橋克郎}
¥date{2008}
¥maketitle
¥section{運動方程式}
¥section{保存則}
¥subsection{§6 エネルギー}
力学的な系の運動中、2s個の$q_i$、$¥dot{q}_i$(i=1,2,.....,s)のという系の状態を特定する変数は時間とともに変化する。しかしながら、値は定数のままで、初期条件にのみその値が依存するこれらの関数がある。それらは運動の積分と呼ばれる。s個の自由度の系に対して閉じていてそれぞれ独立な運動の積分の数は¥textcolor{magenta}{2s-1}個ある。これは以下の簡単な議論で明らかとなる。運動方程式の一般解は2s個の任意定数を含む((9)下の議論のを参照)。閉じた系の運動方程式は明示的には時間を含まないので、時間の固有性の選択は任意であり、運動方程式の任意の一つの変数が常に加法的な変数$t_0$を時間としてとることができる。$t+t_0$を2s個の変数$q_i=q_i(t+t_0,C_1,C_2,.....,C_{2s-1})$,$¥dot{q}_i=¥dot{q}(t+t_0,C_1,C_2,.......,C_{2s-1})$
から見積もると¥textcolor{magenta}{我々は2s-1の変数$C_1,C_2,....,C_{2s-1}$を、$q$と$¥dot{q}$の関数として、この任意定数を表すことができる}。そして、これらの関数は運動の積分となる。しかし、すべての運動の積分が力学上一様な重要性を持つわけではない。それらの中には、その空間と時間の基礎的な一様性と等方性から引き出される、不変性が深遠な意味をもつものもある。この運動の積分によって表される量は保存量という。そして、加算的な性質をもつ:つまり、相互作用を無視できる系の保存量全体は各個の総和に等しくなる。この加法性はそれを持つ物理量にとくに重要な力学的役割を与える。例えば、ある時間区間中に相互干渉する二つの物体を考えてみよう。全体の系のそれぞれの総和が、相互作用の前後で、それぞれ別々の二つの系の量の輪に等しいために、これらの量の保存則から、もし相互作用前の状態が既知であるならば、相互作用後に関係ある様々な結論が導き出される。では、時間の一様性から導かれる最初の保存則について考えてみよう。一様性の長所によって、閉じた系のラグランジアンは明示的に時間に依存しない。ラグランジアンを時間で完全微分すると次のようになる
¥begin{equation}
{dL ¥over dt}=¥sum_{i}¥frac{¥partial L}{¥partial q_i}¥dot{q}_i+¥sum_{i}¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}}¥ddot{q}
¥end{equation}
もしラグランジアンが時間に明示的に依存するならば、$¥frac{¥partial L}{¥partial t}$が右辺に付け加わる。$¥frac{¥partial L}{¥partial q_i}$の代わりに$({d ¥over dt})¥frac{¥partial L}{¥partial t}$がくる。
我々は¥begin{equation}
{dL ¥over dt}=¥sum_{i} ¥dot{q_i}{d ¥over dt}¥left(¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}_i} ¥right)+¥sum_{i}¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q_i}}¥ddot{q}_i
¥end{equation}
¥begin{equation}
=¥textcolor{magenta}{¥sum_{i}{d ¥over dt}¥left(¥dot{q}_i¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}} ¥right)}
¥end{equation}
これから
¥begin{equation}
¥textcolor{red}{{d ¥over dt}¥left( ¥sum_{i}¥dot{q}_i ¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}_i}-L ¥right)=0}
¥end{equation}
よって我々は
¥begin{equation}
E ¥equiv ¥left( ¥sum_{i}¥dot{q}_i ¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}_i}-L ¥right)
¥end{equation}
閉じた系内の運動では定数でありつづける。なのでこれは運動の積分である。ラグランジアンの加法性と(5)関数の後半が線形であることから、からすぐにエネルギーの加法性を導き出すことができる。エネルギー保存則は閉じた系でなくても正当になりたつ。しかし、外部の場が一定のときにもなりたつ(つまり時間と独立に):ラグランジアンの性質のみが上記の微分でつかわれていて、言い換えると、時間を明示的に含まないということが妥当性をもつのである。エネルギーが保存された力学系は保存系と呼ばれる。1.5を振り返ると、閉じた系のラグランジアン(または場から受ける影響が一定であるもの)は$L=T(q,¥dot{q})-U(q)$の形で表され、また、Tは速度の2次関数になる。一様な関数にオイラーの定理を使うと、我々は
¥begin{equation}
¥sum_{i}¥dot{q}_{i}¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}_i}=¥sum_{i}¥dot{q}_{i}¥frac{¥partial T}{¥partial ¥dot{q}}=2T
¥end{equation}
(5)の代わりに
¥begin{equation}
E=T(q,¥dot{q})+U(q);
¥end{equation}
デカルト座標では
¥begin{equation}
E=¥sum_{a}{1 ¥over 2}m_a v_a^2+U(r_1,r_2......)
¥end{equation}
そのようにして、系のエネルギーは完全に異なる二つの関数の和として書かれる。運動エネルギーは、速度に依存し、ポテンシャルエネルギーは粒子(質点)の座標のみに依存する。
¥subsection{§7 運動量}
空間の一様性から二つ目の保存則が導かれる。一様性の長所によって、閉じた系の力学的性質は、すべての系が空間的に平行移動できるという理由により、不変となる。そして、その上に、無限小の変位$¥epsilon$を考え、ラグランジアンが不変性を保つために必要な条件を導く。平行移動とは、その系内にあるすべての粒子が同じ料だけ動くということであり、ベクトルrが$r+¥epsilon$になるということである。座標系の無限小の変位によるLの変化が結論づけられ、固定された粒子の速度は
¥begin{equation}
¥delta L = ¥sum_{a}¥frac{¥partial L}{¥partial r_a}・¥delta r_a =¥epsilon・¥sum_{a}¥frac{¥partial L}{¥partial r_a}
¥end{equation}%この変換が可能なのは¥delta r_aの最大値ないし最小値とイプシロンが同じとみてのことではないかいや違う。ばらけているから等式をみたすイプシロンがあるだろうとしているからである。
この総和は系の粒子を尽くしている。$¥epsilon$は任意であり$¥delta L=0$は
¥begin{equation}
¥sum_{a}¥frac{¥partial L}{¥partial r_a}=0
¥end{equation}
に等しい。
¥begin{equation}
{d ¥over dt}¥frac{¥partial L}{¥partial v_a}=¥frac{¥partial L}{¥partial r_a}
¥end{equation}
から
¥begin{equation}
¥sum_{a}{d¥over dt}¥frac{¥partial L}{¥partial v_{a}}={d ¥over dt}¥sum_{a}¥frac{¥partial L}{¥partial v_a}=0
¥end{equation}
そのようにして閉じた力学系ではベクトル
¥begin{equation}
¥textgt{P}¥equiv ¥sum_{a}¥frac{¥partial L}{¥partial v_a}
¥end{equation}
が運動の間定数であり続ける。これは運動量と呼ばれる量である。1.5で求めたデカルト座標のラグランジアンを微分すると我々は粒子の速度の量
¥begin{equation}
P=¥sum_{a}m_a v_{a}
¥end{equation}
が運動量となる。運動量の加法性は明白である。¥textcolor{magenta}{もっといえば、エネルギー違っていて、系の運動量は、その相互作用が無視できるか否かに関係なく、ここの粒子の運動量$p_a=m_a v_a$の総和に等しい}。運動量ベクトルの以上の3つの性質は外場のがないときだけなりたつ。%08/9/9ここまでの期間が空きすぎている
ここの構成要素は、場が保存されることにより保存されるが、場の位置エネルギーはすべてのデカルト座標に依存するという訳でない。系の力学的な性質は、位置エネルギーに現れてこない一般座標軸への変換によってはかえられないことは明らかであるが、運動量もその場合保存されるのである。(10)式は単純な物理的意味をもっている。微分$¥frac{¥partial L}{¥partial r_a}=-¥frac{¥partial U}{¥partial r_a}$はa番目の粒子に働く力$F_a$を示している。そのようにして、(10)は閉じた系のすべての粒子の力の合計を示し、それは0となる。¥begin{equation}
¥sum_a F_a =0
¥end{equation}
特に粒子が二つだけの系は$F_1 + F_2 = 0$である。この第一の粒子から二番目の粒子に働く力は同じ大きさで反対の方向を持ち、二番目から一番目の力についても同様である。これは運動の衝突の前後が保存されるということである(ニュートン第3法則)。もしも、運動が粒子の一般座標$q_i$で描写されるなら、そのラグランジアンを速度で割って
¥begin{equation}
p_i=¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{q}_i}
¥end{equation}
は一般運動量とよばれる。そして一般座標で割ったものは一般力と呼ばれる。
¥begin{equation}
F_i = ¥frac{¥partial L}{¥partial q_i}
¥end{equation}
ここで気づくべきはラグランジュの方程式
¥begin{equation}
¥dot{p_i}=F_i
¥end{equation}
デカルト座標では一般運動量は$p_a$の構成要素となる。しかし、一般の場合には$p_i$は一般速度$¥dot{q}$の線形で一様な関数であり、質量や速度が減少するといったことはない。
¥subsection{§8 慣性中心}
閉じた系の運動量は異なる慣性系で異なる値を持つ。系Kに対して速度Vで動く系K’があるとすると、質点の速度$v_a'$、$v_a$は二つの系と比較して同じように$v_a=v_a'+V$になる。%momantaという単語がどういう訳かまだわかっていない。運動量だった。
二つの系内の運動量PとP'は以上の関係より
¥begin{equation}
¥textgt{P}=¥sum_a m_a v_a=¥sum_a m_a v_a' + V¥sum_a m_a
¥end{equation}
または
¥begin{equation}
P=P'+V¥sum_a m_a
¥end{equation}
特に、モーメントの総和が0になる系K’が必ずあることに注目されたい。
%08/09/10
P'に0を代入して我々はこの系の速度を得る。
¥begin{equation}
V=P/¥sum_a m_a= ¥sum_a m_a v_a/¥sum_a m_a
¥end{equation}
言及し、力学的な系の運動量の和が0であるならば、力学系は基準系に関して静止している。
これは粒子に適応されるものとしてはかなり自然な一般化の方法である。同様にして(21)で与えられる速度Vは、運動量が0ではない力学系の、全体の動きの速度である。そのようにして我々は、運動量の保存則が、それが適応される力学系全体に対して、静止と速度の自然な定義を可能にすることがわかる。公式(21)は、系の運動量Pと速度Vの関係が、質量$¥mu = ¥sum m_a$、系内の粒子の総和に等しい、のただ一つの粒子運動量と速度の関係に等しいということを示している。この結果は直ちに質量の加算性に関連付けられる。(21)の右辺は時間の完全微分の形で
¥begin{equation}
R=¥sum m_a v_a/¥sum m_a
¥end{equation}
と書くことが出来る。我々は系全体の速度は、その半径速度が(22)である点の空間内の運動の比率である。ということがわかる。この中心を系の慣性中心と呼ぶ。
閉じた系にとっての運動量保存則は、系の中心が直線上を一様に運動するとということを宣言することによって、公式化される。
1個の質点の¥textcolor{magenta}{慣性中心}は自分自身に一致する。%この文の真意は?
閉じた系の力学的な性質を考えるときに質量の中心が静止した系を使うということは自然なことである。これは系全体の一様な直線運動を見積もらせるがそのような動きには興味はわかない。全体としては静止している力学系のエネルギーは通常慣性エネルギー$E_i$と呼ばれる。これは系の中での相対的な粒子の運動エネルギーも相互作用する位置エネルギーも含む。全体として速度Vで動く系のエネルギーは
¥begin{equation}
E={1 ¥over 2}¥mu V^2 + E_i
¥end{equation}
この方程式はずいぶん明らかではあるが、その証明を与えておきたい。慣性系KとK’のエネルギーEとE'は次のように関連づけられる。
¥begin{equation}
E={1¥over 2}¥sum_a m_a v_a^2 + U
¥end{equation}
¥begin{equation}
={1 ¥over 2}¥sum_a m_a (v_a'+V)^2+U
¥end{equation}
¥begin{equation}
={1 ¥over 2}¥mu V^2 +V・¥sum_a m_a v_a'+{1 ¥over 2}¥sum_a m_a v_a' +U
¥end{equation}
¥begin{equation}
=E'+V・P’+{1¥over 2}¥mu V^2
¥end{equation}
この公式は一つの系からもう一つの系にエネルギーを変換する法則を与えている。(20)に答える形で。
慣性中心はK’で静止し、そのときP’=0、E'=$E_i$そして我々は(23)を得る。
%08/09/13 また日にちが相手しまったこの空いている時間が非常にもったいない。ベクトルの色をかえよう。太字ではなくて色でベクトルかそうでないかを判断するとやりやすい。cyanをつかうことにする。
¥subsection{§9 角運動量}
では、空間の等方性に起因する保存則を演繹してみよう。
この等方性は、閉じた系での力学的性質が、それが空間全体として回転しても不変であるということを意味する。その上、我々は無限小の回転を考えなければならない不変を保つラグランジアンを探さねばならない。我々は無限小の回転に$¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}$を使うことにする。その強さは回転$¥delta ¥phi$の角度の大きさであり、その方向は回転の軸の方向である。(回転の方向は$¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}$にそう右ねじの方向とする)。まず初めに、座標原点から回転している系での任意の粒子に向かう位置ベクトルが軸の元の位置からどれだけ増大しているかを見てみよう。
位置ベクトルの先端の線形な変位は、$|¥delta ¥textcolor{cyan}{r}|=r sin ¥theta ¥delta ¥phi$(図5)に関係づけられる。$¥delta ¥textcolor{cyan}{r}$の方向は$¥textcolor{cyan}{r}$と$¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}$のなす平面と垂直である。そういう訳でつぎのことは明らかである。
¥begin{equation}
¥delta ¥textcolor{cyan}{r}=¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}×¥textcolor{cyan}{r}
¥end{equation}
系が回転されると、位置ベクトルだけでなく、粒子の速度も方向を変え、すべてのベクトルが同じ形式で変換される。ある固定された一般座標系と関連する速度の増大は
¥begin{equation}
¥delta ¥textcolor{cyan}{v} =¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}×¥textcolor{cyan}{v}
¥end{equation}
もしこの表現を言い換えるとするならば、ラグランジアンが回転によって不変な条件、
¥begin{equation}
¥delta L = ¥sum_a¥left( ¥frac{¥partial L}{¥partial ¥textcolor{cyan}{r_a}}・¥delta ¥textcolor{cyan}{r_a}+¥frac{¥partial L}{¥partial ¥textcolor{cyan}{v_a}} ・¥delta ¥textcolor{cyan}{v_a}¥right)
¥end{equation}
そして$¥frac{¥partial L}{¥partial v_a}$、$¥frac{¥partial L}{¥partial r_a}$をそれぞれ$¥textcolor{cyan}{p_a}$、$¥textcolor{cyan}{¥dot{p_a}}$に置き換えた結果は、
¥begin{equation}
¥delta L = ¥sum_a¥left(¥textcolor{cyan}{¥dot{p_a}}・¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi} × ¥textcolor{cyan}{r}+¥textcolor{cyan}{p_a}・¥delta¥textcolor{cyan}{¥phi}×¥textcolor{cyan}{v_a} ¥right)=0
¥end{equation}
または総和の外側に$¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}$をとると
¥begin{equation}
¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}¥sum_a¥left(¥textcolor{cyan}{¥dot{p_a}} × ¥textcolor{cyan}{r}+¥textcolor{cyan}{p_a}×¥textcolor{cyan}{v_a} ¥right)=¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}・{d ¥over dt}¥sum_a ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{p_a}=0
¥end{equation}
$¥delta ¥textcolor{cyan}{¥phi}$は任意なので、$(d/dt)¥sum ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{p_a}=0$そして我々は次の結論に至る。
¥begin{equation}
¥textcolor{cyan}{M}¥equiv ¥sum_a ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{p_a}
¥end{equation}
これは¥textcolor{magenta}{角運動量}とか¥textcolor{magenta}{運動量のモーメント}と呼ばれ、
閉じた系内での運動の間保存される。線形な運動量であれば加算的になり、それは系の粒子の相互作用によって左右される。運動の加算可能な積分はこれだけである。¥textcolor{magenta}{閉じた系の積分は次の7つである:エネルギー、三つの運動量の中身、角運動量の三つの中身}。角運動量は粒子の位置ベクトルを含むため、一般的に基準系の取り方によってその値が変わってしまう。
%思ったよりもベクトル表示はかなりわかりやすいcyanしたのはまずかったけれど
%08/09/14今日は目指せ2ページ。
位置ベクトル$¥textcolor{cyan}{r_a}$と$¥textcolor{cyan}{r_a'}$は同じ地点を距離aはなれた別々の原点からのベクトルであり、$¥textcolor{blue}{r_a}=¥textcolor{cyan}{a}$。だから、
¥begin{equation}
¥textcolor{cyan}{M} = ¥sum_a ¥textcolor{cyan}{r_a} × ¥textcolor{cyan}{p_a}
¥end{equation}
¥begin{equation}
= ¥sum_a ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{p_a}+¥textcolor{cyan}{a}×¥sum_a¥textcolor{cyan}{p_a}
¥end{equation}
¥begin{equation}
=¥textcolor{cyan}{M'}+¥textcolor{cyan}{a×P}
¥end{equation}
この方程式から、それぞれの系全体がすべて静止しているとき以外は角運動量は基準系の選択に大きく依存する。この不確定性は角運動量保存則に直接作用しない。なぜならば、運動量は常に閉じた系で保存されるからだ。もしかしたら、前者の二つの慣性系K,K'内の角運動量関係を導けるかもしれない。K’はKに対して速度¥textcolor{cyan}{V}で動くものとする。最初のある時点で系Kと系K'が一致しているとする。それらの速度が$v_a+v_a'+V$その粒子の運動は二つの系のなかで同じとなる。だから我々は、
¥begin{equation}
¥textcolor{cyan}{M}=¥sum_a m_a ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{v_a}=¥sum_a m_a ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{v'_a}=¥sum_a m_a ¥textcolor{cyan}{r_a}×¥textcolor{cyan}{V_a}
¥end{equation}
右辺第一項の和は系K’での角運動量M'である。そして、第二項の慣性中心の位置エネルギーの総和を用いて我々は、
¥begin{equation}
¥textcolor{cyan}{M}=¥textcolor{cyan}{M'}+¥mu ¥textcolor{cyan}{R}×¥textcolor{cyan}{V}
¥end{equation}
この公式は次々に系から系へと角運動量を変換することを可能にした。モーメントの公式(20)とエネルギーのための(27)公式。系K’は全体として静止している系だと考えられる、Vは慣性中心の速度であり、$¥mu V$はとそのKに対しての運動量Pは
¥begin{equation}
¥textcolor{cyan}{M}=¥textcolor{cyan}{M'}+¥textcolor{cyan}{R}×¥textcolor{cyan}{P}
¥end{equation}
言い換えると力学系の角運動量Mは静止している系の'固有の角運動量’そしてR×Pは全体の運動に依存することとなる。(原点が任意の)角運動量に関する3つの内容の保存則が閉じた系内でのみ正当であるが、保存則は外場の影響によって、もっと制限された形になるかもしれない。
以上の議論から、場が左右対称である軸の角運動量の内容についてはいつでも保存され、系の力学的な性質はその軸のどんな回転によっても保存されるということがわかった。ここで、もちろん、角運動量はこりもそうような原点に関連づけられて定義される。このような事例で最も重要なのは点対称であるか中心場であるかということである。つまり、一つの系の一般座標がいくつかの粒子的な点(中心)から距離のみに依存するという場合である。次のことは明白である、角運動量の性質は中心を通るどの軸による回転によってもそれらのような場で保存される。言い換えると角運動量Mは中心場によって定義されると同時に保存されるということがわかるのである。
もう一つの例をあげると、z軸方向に一様な場では、どの点を原点に取ろうともz方向の成分$M_z$は保存される。どの軸の角運動量の成分もラグランジアンの微分によって見つけることが出来る。%この部分納得していない。
¥begin{equation}
M_z = ¥sum_a ¥frac{¥partial L}{¥partial ¥dot{¥phi_a}}
¥end{equation}
一般座標$¥phi$はz方向に沿うものである。これは以上の角運動量の保存則の証明から明らかなことであるが、直接証明することも出来る。円筒座標r,$¥phi$,zでは我々は(x=$r_a ¥cos ¥phi_a,y=r_a¥sin ¥phi_a$)
¥begin{equation}
M_z=¥sum_a(x_a ¥dot{y}-y_a¥dot{x_a})
¥end{equation}
¥begin{equation}
=¥sum_a m_a r_a^2¥dot{¥phi_a}
¥end{equation}
そのラグランジアンはこれらの語であらわすと、
¥begin{equation}
L={1¥over 2}¥sum_am_a(¥dot{r_a^2}+r_a^2 ¥dot{¥phi_a}^2+¥dot{z_a^2}-U)
¥end{equation}
(43)の代わりに(40)を用いることも出来る。
¥subsection{§10 力学的相似}
ラグランジアンの中の定数を増加させても方程式自体には影響はない。個の事実(§2で言及されている)は、数多くの事例で、方程式を実際に積分することなく運動の性質を考えることで役立つ推察が可能になる。それらの事例は位置エネルギーが一般座標系で一様な関数である様なものを含む。つまり条件
¥begin{equation}
U(¥alpha r_1,¥alpha r_2,.....,¥alpha r_n)=¥alpha^kU( r_1, r_2,....., r_n)
¥end{equation}
$¥alpha$は任意の定数で、kは関数の一様性の次数である。すべての座標をα倍すると同時に時間をβ倍する変換
¥begin{equation}
r¥rightarrow ¥alpha r , t ¥rightarrow ¥beta r
¥end{equation}
を考えよう。
%08/09/21
そして、すべての速度$v_a = dr_a/dt$は$¥alpha/¥beta$によって書き換えられ、運動エネルギーは$¥alpha^2/¥beta^2$によって書き換えられる。位置エネルギーは$¥alpha^k$によって増大される。もし$¥alpha$と$¥beta$が$¥alpha^2/¥beta^2 = ¥alpha^k$の関係、即ち$¥beta = ¥alpha^{1-¥frac{1}{2}k}$ならば、変換の結果はラグランジアンを定数要素$¥alpha^k$だけ増大させる、即ち運動方程式から不変項を取り出すという結果になる。同じ要因による粒子の一般座標の変化はほかの軌道によっ粒子の軌道が書き換えられる結果となるが、相似の関係となる。そのようにして我々は、系の位置エネルギーは(デカルト座標で)kの次数の一様な関数であり、運動方程式は相似な軌道を許し、対応している点の間で一定の比率
¥begin{equation}
t'/t=(l'/l)^{1-{1 ¥over 2}}
¥end{equation}
となる。
l’/lは二つの軌道の線形な次数の比率である。時間だけではなくて、対応する点と対応する時間においていかなる力学的性質もl'/l乗である。例えば、速度、エネルギー、角運動量は
¥begin{equation}
v'/v=(l'/l)^{{1¥over 2}k},E'/E=(l'/l)^{k},M'/M=(l'/l)^{1+{1¥over 2}k}
¥end{equation}
%一週間前の情報を覚えていられた。日本語でもやってみようと思う。ちょっと自信がついた。
以降は前述の例のいくつかの紹介である。我々は後に見ることになるが、位置エネルギーは一般座標の4次の関数になる(k=2)。(46)から我々はそれらの振動の周期はその振幅に対して独立であるということに気がつく。力場が一定の状態で、位置エネルギーは一般座標の線形な関数になる(5.8参照)つまりk=1。(46)から我々は$t'/t=¥sqrt{l'/l}$を得る。そういう訳で例えば重力下での落下時間は最初の高さの平方根となる。
%08/09/22
二つの質量の間に働くニュートンの引力或は二つの電荷の間に働くクーロン力では、位置エネルギーは離れた距離と反比例になる、つまり次数k=-1の一様な関数になる。そのとき$t'/t=(l'/l)^{3/2}$であり、我々は、たとえば、軌道の中の回転の時間の2乗は軌道の大きさの3乗であるといえる(ケプラー第三法則)。もし位置エネルギーが一般座標の一様な関数であり、運動が有限の領域を占めるならば、運動エネルギーと位置エネルギーの時間平均の間にはビリアルの定理とよばれるとても単純な関係がある。運動エネルギーは速度の2次の関数なので、我々はオイラーの定理によって一様な関数
$¥sum v_a・∂T/∂v_a=2T$或は$∂T/∂v_a=p_a$を用いて、その運動量は、
¥begin{equation}
2T=¥sum p_a・v_a={d ¥over dt}(¥sum_a p_a・r_a)-¥sum_a r_a・¥dot{p}_a
¥end{equation}
この方程式の時間平均を求めてみよう。時間$f(t)$の任意の関数の平均は
¥begin{equation}
¥bar{f}=¥lim_{¥gamma ¥to ¥infty}{1¥over ¥gamma}¥int_0^¥gamma f(t)dt
¥end{equation}
である。
もし、f(t)が有界な関数F(t)の時間微分$dF(t)/dt$であるならば、その真値は0であるということは簡単である。つまり
¥begin{equation}
¥bar{f}=¥lim_{¥gamma ¥to ¥infty}{1¥over ¥gamma}¥int_{0}^{¥gamma}{dF¥over dt}dt
= ¥lim_{¥gamma ¥to ¥infty}{F(¥gamma)-F(0)¥over ¥gamma}=0
¥end{equation}
では、ある系で有限の領域で有限の速度の運動を実行してみよう。そして、$¥sum p_a・v_a
$は結びつけられ(10.4)の右辺の第一項の期待値は0となる。第二項で$¥dot{p}_a$の代わりに$-¥partial U/¥partial r_a$をニュートン方程式(5.3)にあわせて使うとすると、
¥begin{equation}
2¥bar{T}=¥bar{¥sum_a r_a・¥partial U/¥partial r_a}
¥end{equation}
を得る。もし、位置エネルギーが径ベクトル$r_a$に関し次数kの一様な関数ならオイラーの定理によって、方程式(51)は次の関係
¥begin{equation}
2¥bar{T}=k¥bar{U}
¥end{equation}
を得る。$¥bar{T}+¥bar{U}=¥bar{E}=E$であるから、関係(52)は次のように表現される、
¥begin{equation}
¥bar{U}=2E/(k+2),¥bar{T}=kE/(k+2),
¥end{equation}
ここで$¥bar{U}、¥bar{T}$は系全体のエネルギーを表す項である。特にk=2のとき、微小振動のとき、U=Tとなる。
¥end{document}